牛は臆病なので普段は仲間たちと常に付かず離れずでかたまっている。
一頭だけぽつんといるというのはそれだけで何がしか問題が起こっているサイン(発情、出産が始まったなど・・)になる。
写真の牛はまさに彼女が立っている場所で最近出産した。
いつものことだが羊水や膜にまみれた赤ちゃんを懸命に舐めてきれいにしている母親から赤ちゃんを取り上げ連れ去って行くと、母親は大声で泣き叫び可能な限り着いてくる。
管理上しかたなくやっていることだがやはり普段は静かな牛にああいう態度をとられるのはなかなか気まずいものだ。
それでも数日もすれば何事もなかったようになるのが普通である。
ところが写真の牛は今回ばかりは(彼女は既に何度も出産している)なぜか事あるごとに群から離れて出産した場所に立ち、辺りのにおいを嗅ぎ、次にまるでいなくなった子供を探すように鼻を突き出して宙に漂うにおいを嗅いでいるのである。
直視できないこの場面に「全ては時が癒す」を切に願うこの頃。 |
| 杉田智宏 |
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